藤子不二雄さんのドラえもんを何となく読み返していたんですが、偶然あまりにも衝撃的な2ページを見つけたので勢いで記事にしてしまいました。
子供の頃はただ単純に『面白い』というだけで特に何も感じなかったドラえもんですが、やはりそこは天才『藤子不二雄』氏。
子供向けの漫画にもしっかりと現代風刺と皮肉描写を潜ませていらっしゃるとは、あっぱれというほか言葉が見つかりません。
伊達にいじめや戦争、辛いことを経験してはいないということか。
話が逸れましたね。
では、早速その衝撃的な2ページを画像と共に紹介したいと思います。
度肝を抜かれた衝撃の2ページがこちら!
てんとう虫コミックス版14巻・『台風発生機』より。
あらすじ解説は以下です。
ある日、ガムを道路に吐き捨てるのび太を見たジャイアンは憤り、のび太を注意します。
自分が悪かったと反省するのび太、しかしジャイアンはのび太に罪滅ぼしをしろと迫ります。
そしてあろうことか、自分の散らかった部屋を掃除させるジャイアン。
罪悪感のあるのび太は疑問に感じながらも渋々掃除を行います。
すると掃除を終えた頃を見計らい、のび太を返して母親を呼ぶジャイアン。
部屋が綺麗になったことで母親に褒められるジャイアンを見て、のび太は呆然……。
家に帰り、ドラえもん相手に愚痴をこぼします。
「そりゃあね、ガムを吐き捨てたのは僕が悪かったよ。しかし、それにつけ込んで!」
ドラえもんも憤ります。
「そうだ。そのやり方は汚い、許せない」と。
……えっ、どこが深いんだって?
いや、深すぎるじゃないですか!
だって、たったこれだけ話の中に、間違った正義で溢れかえる世の中への批判描写がしっかりと描かれているんですから。
悪い奴を徹底的に擁護する世の中の狂った法律や正義を分かりやすく表現している
あなたはこの2ページを呼んで、どう思いましたか?
ドラえもんのように、ジャイアンが悪いと思いましたか?
それとも、のび太君が悪いと思いましたか?
恐らく、ほとんどの人がジャイアンが悪いと思いますよね?
でもね、世の中の法律や警察、いわゆる正義は逆なんですよ。
のび太君の自業自得だと言うんです。
理由は後述するとして、まずはこのエピソードの大事な部分を抜粋しましょう。
1・のび太が悪いことをしてしまう。
2・建前上、ジャイアンは正しいことを言っている。
3・後ろめたさに付け込み、自分の利益になることに利用したジャイアン。
この3つですね。
こうして見てみると、なにかある犯罪の匂いがしません?
……そう、これは正に『恐喝』や『ゆすり』と同じ手口なんです。
建前上の正義で相手を追い込み、正義のためではなく自分の利益のために正論を利用する、『恐喝』という行為と全く同じだと思いませんか?
世の中はね、これを正義だと言うんです。
脅迫やゆすりがなぜ無くならないか、考えたことありますか?
これはまさにこのジャイアンの行為が法律的にも許されてしまうからなんですよ。
つまり、相手の悪い部分や法律に引っかかるような弱みを知っていれば、それを武器にいくら暴力を振るってもお金をむしり取ってもそれは全て『正しいこと』になるんです。
最悪、相手が警察に駆け込んでもその弱みを暴露してしまえば裁かれないわけですから。
これが世の中の法律という奴なんですね。
恐喝やゆすりが無くならない理由は単純、それが正義として許されてしまうからです。
怖い話、ジャイアンがのび太にしたことは大人の世界で言うと、『100万円を盗んだ人間から300万円を脅し取った』ようなもの。
これを正義だと許容する世の中の正義と法律に、藤子不二雄氏なりの皮肉な現代風刺描写がこの2ページに描かれているのをご理解いただけたでしょうか。
よろしければこのあまりにも深いドラえもんの2ページのお話、口でもSNS
でもたくさんの方に広めて頂けると嬉しいです。
世の中自体がおかしいことが、少しでも浸透しますように。