いったい誰得?『アニメの実写化』がいかに馬鹿らしいかを考察してみた

「おれ~デビルマンになっちゃったよぉ~」(棒読み)

『銀魂』実写化に『ジョジョ』の実写化、挙句の果てには『おそ松さん』や『弱虫ペダル』までもが……。

 

テレビ業界の人たちよ、そろそろやめた方がいいんじゃない?

 

あのダウンタウンの松本さんも言ってたじゃないですか。

『アニメを実写でやる意味なんかない』って。

 

アニメや漫画の実写化がこけてしまうのは2004年の実写デビルマンで十分懲りたと思うんですが。

 

早い話、「アニメや漫画を実写でやるな」と言いたいのですがそれでは記事がすぐに終わってしまいますので、ここでは「いかにアニメの実写化が愚かな行為」なのかを真面目に考察していきたいと思います。

 

理由1・まず、誰一人としてアニメの実写化なんて望んじゃいない

 

マーケティングで一番重要なのは『需要』を突くことでしょう。

例えばAmazonのお坊さん便が物議を醸したにも関わらず、いまだ続いているのはこの需要があるせいです。

 

なら、アニメの実写化はいったい誰に向けた需要なのでしょう?

 

にわか=原作を知らないのでまず見に行かない

ファン=世界観壊したくないから見に行かない

アニメではなくイケメン俳優のファン=見に行こう

 

結局のところ、実写化を見に行く人はそのほとんどが演じている俳優さんや女優さん目当て。

記憶に新しいるろうに剣心実写化の功績も、大半が佐藤健や藤原竜也といったキャストのおかげと言っても過言では無い。

 

しかし、そんなイケメン俳優目当てを利用した商法はある程度の利益を生み出せるのかもしれないが、決して映画として名作になることはない。

 

だって、少数にしか需要が無いんですから。

 

ファンやにわかにそっぽを向かれるのは目に見えてるし、すぐに飽きられてしまうのも無理はないでしょう。

これでは成功しなくてあたりまえです。

 

アニメの実写化なんてものは、もはやマーケティングの観点から見ても何の価値も無い代物なんですよ。

 

理由2・メディア作品の表現技法には、それぞれ長所と短所がある

 

ことわっておきますが、別に僕はアニメがドラマより優れているなどとはこれっぽっちも思っていない。

ただ、実写化というカテゴリーがアニメに対してもドラマに対しても最大の冒涜だとはっきり述べておきたい。

 

ドラマにはドラマの魅力がある。

 

俳優さんたちが演じられる、現実により近いリアルなストーリーや演出はドラマならではの魅力と言っても良い。

 

アニメ―ションでは到底味わえない人間的なアクションや演者の表情など、ドラマの長所は枚挙にいとまがないのだ。

 

一方、アニメにはアニメの魅力がある。

 

フィクション丸出しのストーリー、声優さんたちの演技、アニメならではの視覚的な演出などは見ているこちらを現実とは違う独特な世界観に引き込んでくれる。

 

人間では間違いなく再現不可能な魔法や武器でのバトル、スピード感のあるアクションなどはアニメ最大の魅力と言っても良い。

 

つまりドラマとアニメは、本でいう漫画と小説のようにそれぞれが特化した長所を備えているのだ。

 

これはマルチメディアの表現技法の違いというだけで、どちらが優れているなどということは全く無いのである。

 

しかし、実写化はどうだろう。

 

ドラマの魅力を活かすにしても、ストーリーは漫画や小説などのフィクション準拠なのでどうしてもセリフや演出に不自然な点が出てしまう。

 

なんちゃってコスプレイヤーな俳優さんたちの演技を見て、視聴者はいったいどこにドラマ性を感じることが出来るのだろうか。

 

一方アニメの魅力を活かすにしても、やはり人間がCGやワイヤーなどで無理やりアクションシーンを撮るのでアニメのようにはいかない。

 

フィクションがアニメの魅力にも関わらず、ノンフィクションを無理やりフィクションっぽくした未完成な何かにいったい誰が感動を覚えるだろうか。

 

いずれにせよフィクションとノンフィクションの間という中途半端な立ち位置に存在する『アニメの実写化』というメディアは、全く必要のないカテゴリーであることが分かる。

 

だって、漫画と小説がごちゃ混ぜになってたらむしろ読みづらいでしょう?

実写化だって一緒です。

アニメとドラマなんて水と油なのに混ざるわけが無いだろう。

 

理由3・イケメン俳優が活躍する舞台に『実写化』を利用するのはやめろ

 

イケメン俳優や旬な俳優さんを起用すれば、すくなくとも必ず話題には上がる。

 

アニメ実写化の狙いというのが原作に対するリスペクトやメディア展開などではなく、ここにある気がしてならない。

 

すなわち。

若手のタレントさんが安心して活躍できる舞台など、ドラマやテレビでもそうそうあるわけではない。

 

子供向けの特撮番組でさえも、いまや出演は若手のタレントにとって登竜門と呼ばれるほどだ。

 

そこで妥協策として登場したのがアニメの実写化という手段なのでは?

原作の関係から、若い俳優さんたちを安心して起用できるポジションにあるのは言うまでもない。

 

さらに登場人物の多さから旬な俳優さんたちを纏めて起用しやすいのもポイントだ。

敵役と主人公を旬な俳優さんで固めつつ、脇をイケメン俳優で固めてしまえば……。

はい、ある程度はウケの良いB級映画の完成というわけです。

 

これの『原作』と呼ばれてしまう元ネタのアニメ・漫画はたまったものではない。

成功はするはずないし、ある程度はウケてもファンに悪印象だし、失敗すれば目も当てられないという、いずれにしても原作の評価を大きく下げる要因になってしまう。

 

ファンには嫌われる、にわかにはウケない、喜ぶのはイケメン俳優のファンだけ。

こんなものはもはや映画でも無ければパロディ作品ですらない。

コスプレイヤーに扮した俳優さんが集って行うただのコントだ。

 

こんなものを堂々と宣伝されるのだから、原作ファンが怒るのも無理はない。

ファンへの冒涜って執筆中断でも打ち切りでも路線変更でもない、『実写化』なのである。

 

ドラマ観点でいえば、アニメの実写化なんてするくらいなら他にもドラマにしやすい素晴らしい小説が世の中にはたくさんあるだろう。

わざわざアニメを原作にするメリットないし、せっかくのドラマの魅力を実写化なんかで壊すな。

 

アニメ観点でいえば、素直にアニメ映画を新作で作ればファンは何十倍も喜びます。

需要もあるし、メディア展開や売り上げを重視するのであれば断然アニメのままの映画化を推薦したい。

原作も汚さずファンも喜び、嫌な気持ちになる人は誰一人としていなくなる。

 

ドラマとアニメ、せっかくの素晴らしい個々のメディア表現をくだらない実写化などで台無しにされては迷惑だ。

アニメの実写化なんてものは、上層部の連中以外にとっては正に百害あって一利無しなのである。

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